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2008年5月23日第17号(通巻第124号) 毎週金曜日発行
 

楽しいアート弁当

寺島淳子さんは関西在住の主婦で、二人の子ども(5歳と2歳)のお母さんである。今、テレビや雑誌が争って彼女のことを報道し、ある新聞では特別のコラムまで開設している。普通の主婦が、一体なぜそんなに注目を集めているのだろうか?――それは、寺島さんのブログをごらんになればすぐにわかるだろう。

ブログの大部分は、毎日子どもたちとご主人のために作っている弁当に関する記録である。もちろんただの弁当ではない。様々な食材の色や特徴を利用して作り上げた、美しく絵画的な「アート弁当」なのである。

近頃、「美しいお弁当」を作ることを趣味にする女性が増えている。自分で作った弁当を食べるのは、節約にもなるし、健康的で環境にも優しく、さらには達成感もあって、仕事のストレスの解消にもなる。だが、寺島さんの作る弁当は、「美しい」というだけでは形容しきれないものだ。毎日の弁当にはテーマがあり、子どもたちの好きなアニメキャラクターから、男性の好む車、スポーツ、流行の電化製品、最新の映画、人気スターなどまで、小さな弁当箱に世界が凝縮され、味わい深くて興味が尽きない。

これらのすばらしい「アート弁当」に使用されるのはまったく普通の食材で、卵、海苔、ハム、および人参、ピーマンなどの野菜である。「自由に想像力を発揮して、買物の時には、緑の胡瓜はカエルになるとか、卵の黄身を重ねて焼いて人魚の髪にしようとか、淡い色のハムは女性の柔らかい肌に適しているとか考えるんです。」寺島さんの話には、女性特有の細やかさや生活への愛情が溢れている。

ブログで弁当について記録することにした理由について、寺島さんはこう語る。「私のお弁当に対する夫の反応が少ないので、ブログで弁当日記を書くことにしました。みなさんのメッセージを毎日読むのは、とても楽しいです!」弁当は家族のために作るものだが、個性を伸ばし、自己を表現する方法でもあるのだ。「食べる」ことと「鑑賞する」ことを共に楽しむと同時に、「弁当」に新しい価値を見出しているというわけだ。

都会は生活のテンポが速く、仕事が忙しいため、あちこちにファストフード店やコンビニが見られ、現代人はしだいに「弁当持参」の生活から遠ざかっている。みなさんは、寺島さんの弁当を見て、明日の仕事に弁当を作ってみようという気持ちになられただろうか?丁寧に弁当作りをすると、脳細胞を活性化し、若返ることができるとも言われている。そう聞いたら、心がちょっと動きませんか?(劉詩音執筆)

Rico & Coco(寺島淳子さんのブログ) http://ricocoblog.seesaa.net/

21世紀の最新「楽器」

ヤマハが5月12日、21世紀の新型楽器「TENORI−ON」のネット販売を開始した。すでに昨年9月からイギリスでテスト販売されており、多くのプロのミュージシャンや音楽愛好家の人気を集めている。今回の発売情報を聞いて、日本の音楽愛好家の間で話題が沸騰し、販売価格は決して安くないというのに(一台12万1000円)買い手が殺到し、サーバーが麻痺状態になったという。

「TENORI−ON」の基本コンセプトを構想したのは、メディアアーティストの岩井俊雄氏だ。彼は、LEDボタンを指で押して直感的に演奏を行える電子楽器を作ろうと考えた。20センチ四方のマグネシウム合金製で、全面に16×16=256個のLEDボタンが配置されている。ボタンを押して、様々な音色を自由に演奏したり録音したりできる。まさに、「音楽の知識がなくても、誰でも視覚的、直感的に演奏できる21世紀の音楽インターフェース」と言えるだろう。

「TENORI−ON」の外観は、今までのどんな楽器とも違っている。ボタンを押すと、音が出るだけでなく、様々な光も発する。ボタンは、垂直方向で音階を、水平方向で音階の演奏順を指定できる。演奏を生き生きとしたものにするため、楽器の背後にも同様のLEDが配置され、演奏中に光を発する。観客は、演奏者と同じ視覚と感覚を味わうことができるというわけだ。

「TENORI−ON」の音源は、253種の音色を持つAWM2音源であり、SDカードで保存したオリジナルの音を追加することもできる。ボタンの押し方で様々な演奏を行えるモードなど、6種の演奏モードを搭載しており、シンセサイザーやシーケンサーのように音楽制作を行うモードもある。最も特筆すべきなのは、画像処理ソフトのようなレイヤー機能を駆使して、それぞれのパートごとに段階的に楽曲を作成できることだ。シーケンサー機能も内蔵しており、演奏したコンテンツをSDカードに保存したり、MIDI接続したほかの楽器との合奏を行うこともできる。

「TENORI−ON」は、単三乾電池六個で動く。サイズは205(幅)×205(奥行き)×32(高さ)ミリで、重さは電池抜きで約700グラムである。(樋田桂一提供)

(C)2008 Yamaha Corporation

TENORI−ON公式サイト http://www.yamaha.co.jp/design/tenori-on/
 TENORI−ON開発日誌 http://tenorion.exblog.jp/

欧米での「高野山ブーム」

今から約1200年前、弘法大師によって開かれた真言密教の聖地、和歌山県・高野山。標高約900メートルの山上には、多くの寺院があり、四季を通して、神秘的な雰囲気が漂う。その高野山で今、数多の外国人が散策し、神妙な面持ちで手を合わせ、精進料理に舌鼓を打つという“高野山ブーム”が起きている。

このブームは、1999年にフランスの新聞で高野山が紹介されたことがきっかけといわれる。さらに2004年7月、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産登録されたのも人気に拍車をかけた。京都や東京などとともに、高野山に滞在するツアーも年々増えている。

県によると、外国人宿泊者数がここ5年間で61,283人から163,870人と267%も増加。台湾や香港、韓国、中国などから観光客には、温泉のある白浜などの人気が根強いが、高野山ではフランス、アメリカ、ドイツといった欧米からの観光客が圧倒的に多い。

高野山では、寺院の宿坊に滞在し、修行僧が配膳する高野豆腐、ごま豆腐などの精進料理をはじめ、朝の勧行、阿字観(あじかん)などを体験する。また、20万基ともいわれる墓が並ぶ奥の院、お堂や塔が立ち並ぶ壇上伽藍(だんじょうがらん)などをじっくり巡る。つまり、歩いて行ける範囲に観光拠点が集まり、様々な修行体験ができるうえ、「スピリチュアル」な町の雰囲気が人気の高い理由のようだ。

また、高野山無量光院の役僧で5か国語が堪能なスイス出身のクルト・キュブリ氏が、外国人観光客の案内を率先して行っているのも大きい。

関西国際空港から鉄道で約2時間。高野山への玄関口、南海高野線・極楽橋駅では、大きなバックパックを背負った外国人観光客が、ガイドブックを手に山へ登り、ケーブルカーに乗り込んでいくのは、もはやおなじみの光景。人口4600人の小さな町が、国際宗教都市としてその名を広めつつある。(飾磨亜紀執筆)

写真提供:和歌山県

高野山観光協会・宿坊組合 http://www.shukubo.jp/(日・英)
 和歌山県観光情報 http://kanko.wiwi.co.jp/(日・英・中・韓)

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東京写真日記
【photo by Kazuhiro Matsumoto】
来週のイベント
本番ドイツのビールの祭りが日本でも開催。開放的な空間で、本場のドイツビールが楽しめる。

5/23(金) 「オクトーバーフェスト」開催 日比谷公園

・バガボンド・ ・スラムダンク・を送り出したマンガ家 井上雄彦が、美術館の空間に挑む。

5/24(土) 「井上雄彦 最後のマンガ展」 上野

21チーム、約1000名もの踊り手が集結し、幕張メッセとJR海浜幕張駅前北口・南口広場を舞台に「よさこい鳴子踊り」を乱舞。

5/25(日) 「ちばYOSA海幕祭2008」 千葉

人が衣服を纏う、化粧をするなど、「装う」という行為をテーマにした展覧会。 

5/26(月) 「斉藤千明 展.」 東銀座

高度な技術とユニークな発想で作られたさまざまな「手作りカメラ」と手作りカメラで撮影した写真作品を展示、“手作りの魅力”を再発見する。

5/27(火) 「世界に一台 手作りカメラ展」 千代田区

アフリカ大陸から約40カ国が参加し、特産品の展示や料理、コンサートなど見どころ満載!

5/28(水) 「アフリカン・フェア2008」 横浜

イタリアの食と文化が楽しめるスペシャルイベント開催。雑貨、食材などの市場や、ワインの試飲、本場パスタが特別価格で味わえるなど、楽しいイベント満載!

5/29(木) 「ららぽーとTOKYO-BAY」 川崎市

交流の広場

→ブログ「我就愛名牌」(ブランドこそを愛する)の管理者です。我々のコミュニティへのみなさんの参加を心からお待ちしています!【イギリス Tilda

←霧の都ロンドンで名牌(ブランド)について語るTildaさんのブログ「男爵猫猫的葡萄園」(ねこ男爵のぶどう園)は、とてもすばらしいです。早速Tildaさんのコミュニティに参加しました。これからもどうぞよろしく。

→なかなかいいですね。このバッグ、気に入りました。(本年第16号「so, whatのエコバッグ」を読んで)【北京 梅m時尚的公館

←ありがとうございます!本当にとても可愛いですよね。今のところ海外への通信販売ができませんが、将来的には可能になるかもしれません。また来てください。

→「編集長のフォトエッセイ」の視点と文章がとても好きです。編集長さん、がんばって!【東京 ニーナン

←今までに書いた文章や撮影した写真を整理して本にまとめたいのですが、忙しくてなかなか余裕がありません。励ましのお便りをいただいて、とても感激しています。ニーナンさん、お互いにがんばりましょう!

【編集部からのお知らせ】
日本で最も有名な語学教育出版社であるアルク社が発行する「マガジンアルク」の7月号で、「東京流行通訊網」が8万人の会員に対して紹介されます。この機会に対して感謝すると共に、もっと多くの国際人のみなさんが本メルマガの読者になってくださるように願っています。

配信サイト
運営会社
ALAYA

樹脂製のスケートリンク

三菱樹脂傘下の子会社で、人工芝の製造販売を行っている株式会社アストロが5月12日、スペインの企業と大学が共同で研究開発した最新科学技術の成果である「XTRAICE(エクストラアイス)」を販売することを発表した。これは、特殊なプラスチック樹脂で製造された人工のスケートリンク用パネルである。

「XTRAICE」は高密度の特殊な樹脂で作られ、一つのパネルは長さ2メートル、幅1メートル、厚さ2センチ、重さは38キロである。自由につなぎ合わせることができ、表面に専用ワックスを塗れば使用可能となり、取り外しも簡単だ。季節も場所も問わず、広さも問わない。普通のアイススケートシューズをはけば、自由に滑走できる。現在、サウジアラビアなど世界11ヶ国でこの技術を採用している。

一般のスケートリンクと比べて、樹脂のスケートリンクは建設費用が30%削減でき、維持費も半分しかかからない。また、製氷設備もいらないため、平均して一年に947トンの二酸化炭素排出を削減し、大量の水資源も使わないので、環境にも優しい。

このニュース発表には、日本国民の間から想像以上の反響があった。「こんな環境に優しい発明はとてもすてき!」「これからは、暑い夏の日にも気軽にスケートができる。」「早く実際に滑ってみたい!」こうした意見が、ネット上に次々に寄せられており、人々の環境保護に対する関心がますます高まっているのが感じられる。

この樹脂のスケートリンクの使用寿命は約十年で、販売対象はスケート場、遊園地、総合レジャー施設、学校などである。販売価格は、一平方メートルあたり6万円から7万円で、来月(6月)から正式に販売される。アストロでは、5年以内に3億円を売り上げる計画である。

浅田真央や高橋大輔などの若手選手が国際的に活躍しているため、今日本ではアイススケートブームになっている。だが、高額の維持費に対応しきれずに、スケート場は次々に閉鎖されている(全国ですでに150以上が閉鎖)。この技術の普及によって、近い将来にもっと多くのスケート愛好者が環境に優しいスケート場を楽しむようになるに違いない。これからも、地球環境を考えた新しい技術が次々に生まれることに期待したい。

「XTRAICE」公式サイト http://www.xtraice.net/xtraice_en/home.html(英・動画がある)

本と山林を交換する

福島県南会津郡只見町の山の中に、ちょっと信じられないような「本の街」がある。いらなくなった本を送ると、山林と交換してくれるというサービスを行う「たもかぶ本の街」である。「たもかく」という木材加工会社の社長である吉津耕一さんがこの驚くようなサービスを始めてから、すでに13年になり、4600平方メートルの敷地に、191万冊の古書と音楽CDを収めた10棟の店舗と倉庫、そして8台のトラックを所有している。

日本全国から集まった本は、ここで文芸館、新書文庫館、只本館、全集館、本日入荷館、そして貴重書籍を展示する「うらない館」に分けられる。本の買い入れ価格は原価の十分の一で、1750円で1坪の山林と交換できる。つまり、1万7500円分の本を持っていけば、1坪の山林が得られるというわけだ。最も広い山林を保有している人は、毎回少しずつ売りに来て、長い間に1200坪も得たのだそうだ。単純に計算すると、2100万円の本を売ったことになる。交換される山林は、空気がきれいで樹木がよく茂り、山菜もたくさん生えている。都会人にとっては、桃源郷といえるだろう。

「たもかく」では、この珍しい方法で本を買い入れて、それを販売する。最もよく売れるときには、年に2900万円も売れた。近年は首都圏から田舎にやってきて生活する人が増加しており、そのことが「本の街」の発展を促進している。神奈川県に住むある公務員は、店舗の中の一棟を買い取って、喫茶店を兼ねた文芸書専門の古書店を営業している。定年後に自宅で古本屋「みどり文庫」を経営していた東京都小平市の男性も、店舗を一棟購入した。

いらなくなった本と眠っている土地を交換するという絶妙のアイデアが、都会と農村を結ぶ架け橋になっている。「たもかぶ本の街」で長い間探していた本を見つけるのも、交換した土地で田園風景を楽しむのも、21世紀の環境保護への確かな一歩といえるだろう。

「たもかぶ本の街」公式サイト http://www.tamokaku.com/2005/index.html

祖国では国中でろうそくをともし、死者の冥福を祈っている。5.12(四川大地震)の犠牲者追悼の日に、私は再び眠ることのできないつらい夜を過ごした。こんなに長い時間、真剣にCCTV4(中国中央テレビ国際チャンネル)を見たのは初めてである。災害との多くの苦しい戦いの中で、一人のごく普通の女性の一言に、私は涙を流さずにいられなかった。――それは、母親と二歳の愛娘を初めとする十人の身内を失いながら、昼夜にわたって別の現場で何日も救助を続け、ついに倒れてしまった女性警察官、蒋敏さんである。記者の「なぜ家族を顧みずに第一線で奮闘することができるのですか?」という質問に対して、彼女はあたりまえのように答えた。「あちらがみんないい人ばかりで、両親と子供はもし生存であれば、きっと彼らを助ける人がいるでしょう。」

子どもの頃、よく大人に言われたものだ。「人を傷つける心を持ってはならない。用心する心を持たなければならない。」大人になってからは、見知らぬ人の善意の微笑みに対して疑問を持ったり、街で署名活動や募金活動を見ると、騙されるのではないかと恐れたりせざるを得なかった。だが今、涙も出ないほど悲しく、被害に遭った四川の人々にできる限りのことをしてあげたいと心から思っているのに、どうしたらいいのかわからなくなっている自分に気づいた。

そんな時、大げさなことをしなくても善意を伝える機会があることを、友人が教えてくれた。家の近くの大通りを行くと、両側にいくつもあるコンビニのレジのところに、「四川大地震への募金」とかかれた小さな紙が貼ってある。セブン・イレブンの募金箱には、すでにたくさんの一万円札が入っていた。ampmでは、募金は日本赤十字社を通じて被災地の住民に届けられると明記されている。ファミリーマートはまだ開店二日目なのに、募金活動を熱心に行っている。ローソンの募金の表示は、店のマークと同じようによく目立つ。ポプラでは、お菓子のプラスチックケースを改造した募金箱に、暖かい心が感じられた。サークルKサンクスでは、連名で募金を行っていた。無数の見知らぬ日本人が、年配の方も若者も、さらには元気いっぱいの少女まで、善意を静かに投入し、優しい心を届けようとしている。

人々の心を信じることこそが、蒋敏さんの感動的な行動を支えるシンプルな原則である。だが、CCTVの短い報道で蒋敏さんのこの言葉が伝えられただけで、その他のすべてのメディアではこの言葉は、意図的にか無意識的にか忘れ去られ、もっと人を感動させる「大言壮語」にばかり焦点がしぼられた。

以前、台湾の作家、三毛(サンマオ)の本を読んだとき、夫のホセに対する彼女の「あなたに対して、私は無防備なの」という心からの言葉が、私の心を強く揺さぶった。この世界には警戒心や人と人の間の溝があまりにも多い。そのために外国の緊急救援隊が災害現場に駆けつけるのに遅れてしまい、明らかに巨額の企業募金を提供したのにネットで批判されるという誤解が生じてしまった。我々は、人の善意を信じようではないか。それによって災難が防げるわけではなく、時には募金詐取を狙う地震便乗のさまざまな手口にあうかもしれない。だが、我々の住む世界には真心が必ずあるはずだ。心に隔てを設けるのをやめれば、この災難の多い地球にあって、人類は手を携えて生存し、発展していくことができるのではないだろうか。

 
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