2009年7月24日第27号(通巻第179号)・FOR MEN ・
【photo by Yao Yuan】
BROOCH
MY RING

7/22(Wed) - 7/28(Tue)
JELLYFISH "The Works of JELLYFISH" ファッション

7/25(Sat) - 7/31(Fri)
まるっこくてほのぐらい
絵画・イラスト

7/29(Wed) - 7/31(Fri)
西生田写真クラブ
映像・マルチメディア

7/30(Thu) - 8/5(Wed)
鈴木えりこ ポップアート

→このメルマガと雑誌「一番日本語」が協力関係にあることを知りました。この雑誌について教えていただけますか?【香港 涼宮春日

←「一番日本語」は大連理工大学出版社が発行する、日本語学習、日本の最新情報、および文化娯楽情報を集めた音声付きの雑誌です。日中対照で、すべてのページにふり仮名がつけられ、しかも日本人の標準発音を録音したMP3ディスクがついており、日本語学習愛好者の幅広い人気を集めています。ぜひブログにアクセスしてみてください。

→男性たちが大好きな桑田佳佑の名曲「TSUNAMI」について紹介してくださいましたが、今度は我々女性のために、平原綾香の名曲「Jupiter」について教えてください。私が女性を代表できるかどうかわかりませんが。【銅陵 lake

←YouTubeに公開されている全曲と歌詞の中国語訳をお楽しみください。

ALAYA

セカイカメラの新しい世界

世界中で大人気のiPhone用のプログラム「セカイカメラ」が、ついにWYSIWYG(What You See Is What You Get=あなたが見たままのものが手に入る)という理想を実現した。通常、携帯電話のカメラは撮影に使われるが、「セカイカメラ」はカメラが捉えた画面だけでなく、画面に浮遊する「エアタグ」という他人が残した情報を表示し、タグに触れると内容を閲覧することができる。これは位置情報と現実世界を重ねあわせる手法を用いており、携帯電話が現実世界から仮想世界までの情報を探し出し、リアルな情報検索を行う端末になるという未来を示しているといえる。

「セカイカメラ」を開発したのは、「頓知・(とんちどっと)」の井口尊仁社長だ。大学では哲学を専攻していたが、寮の隣の部屋に住む友人にプログラミングを習ってから、「人の思考はマッシュアップできるのではないか?(mashup=公共データベースを利用した2つ以上のwebを応用して1つの新しい応用を作り出すこと)」「見たままのアイデアや考えがわかるという世界観は、モバイルとテクノロジーによって実現できるのではないか?」という考えを持つようになったという。

「セカイカメラ」を使うと、誰でも自分の見たものに対する感想や人に対する見方などを「エアタグ」に書き込むことができる。「エアタグ」には、レストランの情報もスターに対する評価も書き込めるし、5分前の情報も1年前の自分のタグを読むこともできる。企業のタグを選択することも、個人の残したもの(画像や動画など)のタグを選ぶこともできる。その時の状況や空間や時間によって、書き込まれた情報をフィルタリングしたりカットしたりすることも可能だ。さらに、周囲1キロの範囲にいる人に自分のエアタグを宣伝する「エア・シャウト」、特定の人に送る「エア・メール」、エアタグを保存する「エア・ポケット」などのサービスも計画している。

空間情報だけでなく、時間などの情報も結合しているところが、「セカイカメラ」の人気の秘訣だ。これまでユーザは、自分の部屋でキーボードをたたくという方法でネットワークにアクセスし、情報は一般にハイパーリンクから構成されていた。しかし「セカイカメラ」を使えば、移動中でも「検索する」のではなく「目で見る」ことによってリアルタイムの情報を得ることができるのだ。これが「セカイカメラ」の斬新なところで、日本で開発され、世界的にもユニークと言える情報プラットフォームが、さらに多くの支持を得て大成功を収めることが期待される。(樋田桂一提供)

頓知・日記 http://d.hatena.ne.jp/roadracer/

百周年を迎えたアウディ

世界最大のQRコード】7月16日、アウディは創立百周年を迎えた。その2日前、千葉・幕張メッセでアウディ・ジャパンと販売会社の社員たちが世界最大のQRコードを作るという、ちょっと変わった挑戦を行なった。「Vorsprung(先進)」を掲げたアウディが提唱する「挑戦し続ける精神」を示すために、参加した全員がパッションを表現し、社員たちの結束を強調した。130名あまりの社員がそれぞれ1.2メートル四方のパネルを持ち、縦横12.6メートル、総面積159平方メートルの世界最大のQRコードを作り上げたのだ。QRコードが完成した後、さらに「100 Years of Audi」という人文字も作られた。

空港に溢れるR8】7月16日、東京国際空港(羽田空港)と中部国際空港(セントレア空港)で、アウディのプレミアムスポーツカー「R8」の広告キャンペーンが行われた。羽田空港の第1、第2ターミナルのすべてのボーディングブリッジ(全77ヶ所)に「R8 5.2 FSI クワトロ」と「タイプCストリームライナー」のポスターが張り出され、また、第2ターミナル2階出発ロビーには、アウディR8の車両が展示。セントレア空港では、3階出発チェックインロビーに「R8 5.2 FSI クワトロ」と「タイプCストリームライナー」の天井吊り下げ型の大型ポスターが掛けられ、ここにもアウディR8の車両が展示された。

演奏できるアウディ】オーストリアのピアノメーカー、ベーゼンドルファー(L. B・sendorfer Klavierfabrik GmbH)の協力で、「Audi Design Grand Piano」という名前のピアノが誕生した。「自由な表面形状はクリアなシェイプづくりに貢献し、装飾を廃し、エッジとラインは明快、連結部は論理的に整理されている。」というアウディの重要なデザイン要素を、ピアノの上に共通のものとして再現している。このピアノは7月16日に、ドイツのアウディ創業百年式典でお披露目された。その最初の演奏者は、2006年以降、アウディのグローバル・ブランド・アンバサダーを務めている中国人ピアニスト、朗朗(ランラン)であった。

2009.AUDI AG.

Audi Japan http://www.audi.co.jp/jp/brand/ja.html

地図と住所の不思議

マピオン(mapion)は、「Map Information Open Network」の略称だ。日本では有名な地図検索サービスのウェブサイトであり、日本測地系を使用し、グーグルマップと同様Ajaxを用いているいるので、地図をマウスでスクロールすることができる。マピオンのサイトでは、地図や旅行情報の検索だけでなく、天気情報を調べることもでき、Yahoo!JAPANでもこのウェブサイトの地図を利用している。

マピオンの開発グループは、最近とても面白い「Mapion Labs」というブログを開設し、開発に関わる情報や雑学を公開している。その中の「地図と住所の22の不思議」では、知る人の少ない知識が披露されている。ここでいくつかをご紹介してみよう。興味を持たれた方は、ぜひこのブログにアクセスしてほしい。

●富士山の8合目より上は、浅間大社の私有地。
●大阪城の住所は「大阪城」で、〒540-0002大阪市中央区大阪城1-1。
●両国国技館の住所は「横網」で、「よこづな」ではなく「よこあみ」。
●トヨタ自動車の本社工場の住所は、「トヨタ町」。
●玩具工場がたくさんあるから「おもちゃまち」と命名された町がある。「おもちゃのまち駅」もある。
●中部国際空港(セントレア)の漢字表記は「遷都麗空」で、もちろん当て字。
●「竜飛海底駅」には「海底」という言葉があるが、海底ではない。普通の旅客は入れず、見学整理券を持った人だけが乗降できる。
●埼玉県にも東京都がある。西大泉町は東京都に属しているが、飛び地であり、周囲は埼玉県新座市になる。
●東京の板橋駅は3つの区にまたがっている。地図で見ると、左斜め上は板橋区、左斜め下は豊島区、右側は北区。
●「南淡路市市市」はミスタイプではなく、町の名前が「市市(いちいち)」。全部読むと「みなみあわじしいちいち」となる。「三重県四日市市市場町」と「滋賀県八日市市市辺町」もあるが、街の名前が「市市」なのは全国でここだけ。

マピオンラボ http://labs.mapion.co.jp/

究極のエコ&節約 「キッチン菜園」

家で手軽に出来る家庭菜園が人気だが、さらにもう一歩進んで、室内(キッチン)で野菜栽培をするというのが静かなブームになってきているようだ。これならば、庭がなくても、ベランダがなくても、特別な道具がなくても、どこでも誰でも栽培できる。

キッチン菜園で使用するのは、本来なら捨ててしまうであろう野菜の根や芯で、例えば、ニンジンや豆苗、キャベツ、ネギ、三つ葉、ニンニクなど。これらの根や葉を育てて収穫する。最も手軽にできるカイワレ、豆苗、三ツ葉は、購入時の根が付いたスポンジを捨てずに、水につけておくと芽や葉が出てきてから10日〜2週間で、もう一度収穫できる。うまくいけば2回分収穫できるというわけだ。

キャベツは切り取った芯を水につけておくと、2週間ほどで、濃い緑色の葉が次々と出てくる。やわらかいので、味噌汁の青みとして利用できる。キッチン菜園は、野菜作りと料理作りが同じ場所なのも大きなメリットだ。その際の容器も、新たに鉢などを買う必要はない。空き缶やヨーグルトの容器で十分だ。

日が経ってから芽が出てしまったニンニクも、皮をむいて土に埋めておけば、数日で芽が伸び、15センチほどになったところで根ごと収穫する。すると、芽も根も丸ごと食べられるのだ。本来は捨ててしまうものを再利用するのだから、経済的なのはもちろん、室内なので水やりなどの手入れがしやすく、虫がつきにくい。しかも、ゴミは一切出ないのだ。まさに、究極のエコであり節約である。

不景気を乗り切るための知恵として、覚えておいても損はない。失敗しても、もともと捨てるものだったと思えば気楽だろう。自身もカイワレで挑戦してみたが、毎日水をやって、すくすく成長する姿を見るのは、楽しいものだった。そうやって収穫したものを、料理して食べたなら、他のものよりおいしく感じられるかもしれない。(亜遊民執筆)

食べたら種まき http://hinnahutaba.blog121.fc2.com/

都会の中の心のオアシス

職場から近い山手通り沿いに、開店したばかりのラーメン屋「麺屋宗&SOU」があり、いつもたくさんの客でにぎわっている。店の前にできた長い列が道行く人々の目を引くだけでなく、窓からは店内の洗練された内装や家具を見ることができる。この店では日本の工業デザイン界の巨匠である柳宗理氏がデザインした家具や食器が使われており、看板の上にある「宗」の文字にもスタイリッシュな気分が感じられる。

柳宗理氏と言えば、年配の方はあの眼光鋭いまとめない髪型の姿を思い浮かべるだろうし、若い方でも、あまり日本的ではないこの名前をどこかで見たことがあると思われるだろう。1900年代の半ば以降、文具や家具から高速道路の標識やオリンピックの聖火台まで、たくさんの傑作を作り出して多くの賞を獲得した氏の作品は、世界各地の美術館に収蔵されている。見たところはシンプルなのに人を引きつける、半世紀にわたるこれらの作品には、氏の「True beauty is not made, it is born naturally」(本当の美は作られるものではなく、自然に生まれるものである)というデザイン哲学が込められている。

一生に一度は使ってみたいのが、「バタフライ・スツール」と名づけられた椅子である。合板の三次元曲げ加工技術を用いて作られたこの美しいフォルムは、蝶が羽ばたくような柔らかくて緩やかな曲線を描き出し、左右対称で、結合部も無駄なく緩やかな流れを作り出している。昔からの日本人の美意識を受け継ぎながら、西洋の現代的な素材を融合して、「バタフライ・スツール」は、他にはないすばらしい作品となっている。

柳氏がデザインする家庭用品は、どれも含蓄のある美を備えており、自然な形で家庭生活に溶け込んでいる。彼は民間芸術から美の源泉をくみ取って、「近代化」の真の意味を考え、作品をシンプルにしながら決して単調にはせず、特に「手」を使ってデザインすることにこだわっており、設計図を描かずに1〜2年かけて実物大の石膏模型を直接製作する。「手で感じれば、手の中に答がある」というのが氏の考え方なのだ。

1957年にミラノ・トリエンナーレで金賞を受賞してから半世紀経った今、「バタフライ・スツール」の光沢のある座面に触れていると、まったく同じ形の左右の部分が軸芯を中心に対称に連結され、座席の下だけをボルトとバーで固定しているこの椅子に込められた、デザイナーのシンプルで優雅な構想の味わいが、歳月を経て少しずつ滲み出してきているように感じられる。

「麺屋宗&SOU」では、「女性が一人でも安心して食事ができる」という雰囲気と、カフェのような気軽な気分と、さらに夜には「一杯傾ける」ことのできる温かい店を目指している。柳宗理氏のデザインがあるべき場所を得て、喧騒の都会の中に心休まるオアシスを作り出しているのである。(姚遠執筆)

柳宗理公式サイト http://www.japon.net/yanagi/ (日、英)

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