エベレスト登頂をネットで生中継

北海道札幌市在住の27歳の登山家、栗城史多（くりき・のぶかず）さんが今月、世界最高峰のエベレストの単独無酸素登頂に挑戦する。「単独無酸素登頂」とは、他の人の助けを借りずに、酸素装備なしでおこなう非常に難しい登山方法だ。これまでに栗城さんは、世界の六大陸の最高峰での登頂に成功しており、今回成功した場合は、日本初の七大陸最高峰の単独無酸素登頂ということになる。この体験をすべての人と共有するためにネット中継が使われることになり、Yahoo!JAPANが生中継のページを準備した。
　
これは世界でも初めての、エベレスト登頂のオンライン中継だそうだ。現在の登山計画によれば、9月29日に登頂の予定である。身長162センチ、体重60キロで、肺活量も筋量も平均以下の小柄な栗城さんが、普通の人なら酸素ボンベがなければ登るのは不可能な標高7500メートルの「死の領域」に挑戦するというのだから、その超人的なたくましさと強い精神力に驚かされると同時に、人間の身体の極限についても考えさせられる。
　
生中継は登頂の約30分前から始まり、大自然と人類の極限に挑戦する感動の情景をインターネットでリアルに伝える。ホームページでは、栗城さんが以前北米大陸の最高峰マッキンリーや、南米大陸のアコンカグアに挑戦したときのビデオを見ることができる。また、プロスキーヤーの三浦雄一郎が登山の知識を解説したビデオや、有名人たちから栗城さんへの応援メッセージのビデオなどもある。
　
登山の生中継をより面白くするために、いくつかのイベントが行われている。現在ネットで見られる最新イベントのビデオには、9月7日に標高6400メートル地点で行われた流しそうめんと、9月14日に標高8400メートル地点で行われたカラオケ大会がある。これらはどれも、ネット中継史上初の試みである。尚、今回の栗城さんの挑戦は、「日中青少年友好交流」を目的として実施されている。（樋田桂一提供）

初音ミクの営業「痛車」

株式会社セガは7月2日、人気のバーチャルアイドル歌手を主人公としたリズムアクションゲーム、「初音ミク−Project DIVA−」を発売した。これは初音ミクの初めてのPSP用ゲームである。発売されると同時に初音ミクファンの熱烈な支持を集めて販売量を伸ばし、周辺商品も売れ始めている。そしてセガでは発売の1ヶ月ほど前に、宣伝のために走り回る営業車を改造して「痛車」を作り上げた。

日本のアニメファンの若者が、個性を発揮するためにアニメキャラクターなどで彩った車を「痛車（いたしゃ）」と呼ぶ。これについては、本メルマガでも以前ご紹介した。このセガが作ったオフィシャルの「初音ミク痛車」は大きな話題となっており、営業車を痛車に改造してゲームを宣伝するという方法は大いに成功したと言えるだろう。

痛車に改造されたのは紺色のトヨタ・カローラフィールダーで、印刷物製造会社のタップが担当した。タップ社の綱島清志社長はもともと痛車改造を趣味として行なっていて、ネット上に動画を公開したところ、思った以上の注目を浴びてアクセス数が激増した。その結果、セガが今回タップとのコラボレーションを決定し、ゲームファンたちを喜ばせることになったというわけだ。痛車は図案設計から印刷までは時間がかかるが、印刷された図案を車に貼り付けるのには1時間ほどしかかからない。とは言っても、滑らかに空気を入れないように貼るのは、やはり難度の高い技術である。完成した痛車の図案は3〜5年使用することができ、製作費用は15万〜20万円である。

実は、初音ミクをテーマにした痛車はセガが初めて作ったわけではない。2008年のSUPER GTには、BMW Z4の初音ミク痛車がエントリーしたが、燃料に問題があって参加を取り消している。この車はその後、「キャラホビ2008」で8月30日と31日に展示された。（tata執筆）

漫画キャラクターに惚れる

雑誌「CREA」の読者アンケートは、日本の流行を知るための重要な情報源だ。食品や生活用品の使用状況や、年齢別のスキンケア商品ランキングなど、種類も豊富で内容が面白く、日本の人気商品の縮図となっている。

9月号の「CREA」では女性読者を対象に、「マンガでいちばん惚れた男」という非常に面白い調査を行なっている。この調査はネット上で行われ、大きな反響があった。多くの女性が「このキャラクターが私の初恋です！」などの情熱溢れるコメントを寄せている。

約300人に対する調査の結果、30のマンガキャラクターが高い支持率を得たが、その中の多くがすでに海外でも有名な面々なので、中国の読者のみなさんにもおなじみの顔が多いだろう。さて、日本女性の心を捉えた理想の男性たちは、一体どんな条件を備えているのだろうか。

「ブラック・ジャック」の間黒男。読者評は、“大人で心が温かい天才”。「誰よりも命の尊さを理解していて、無口なところにも魅力を感じる。」（OL　32歳）「有閑倶楽部」の菊正宗清志郎。読者評は、“文武両道で頭脳明晰”。「大病院の貴公子で、医薬の知識が豊富。語学も得意で美男子。」（会社員　34歳）「花より男子」の道明寺司。読者評は、“愛情に一途な貴公子”。「愛を貫き通す純情なところが好き。」（OL　27歳）
「NANA」の本城蓮。読者評は、“かっこよくて愛情深い硬派の男性”。「NANAがくれた南京錠ネックレスを肌身離さず持っている。愛情が深い。」（派遣社員　27歳）「SLUM DUNK」の三井寿。読者評は、“努力家で決してくじけない。恥ずかしがりで可愛い男性”。「不良時代の長髪をばっさり切った姿にときめいた。」（OL　34歳）

この他に、桜木花道、光源氏、紫苑、上杉達也、速水真澄、森田忍、孫悟空、島耕作などが挙がっている。彼らがどのマンガの登場人物か、わかりますか？（zhuoling執筆）

「逆メイドカフェ」登場

日本発の新文化「メイドカフェ」は、数年前にタイに海外店第一号ができてから、あっという間にアジア地区に広がった。そのため、本場日本のメイドカフェを体験しようという計画が、日本にやってくる多くの観光客たちのスケジュールに組み込まれている。本メルマガでは、ここ数年次々に登場した新しいメイドカフェについてご紹介してきたが、今月9日に東京の原宿に開店したカフェは「メイドカフェ」のシステムを完全に逆転して、日本のカフェ文化に新しい風を吹き込んでいる。新しい流行がここから始まるかもしれない。

このカフェは「ギャルソンカフェ」といって、女性だけのための「逆メイドカフェ」なのである。メイドスタイルの店員に代わって、店内には美少年のギャルソンがそろっている。ギャルソン（garcon）とはフランスの食文化から生まれたものである。フレンチレストランでは、自分の担当テーブルにサービスを行う「ギャルソン」がいて、サービスがよければ、お客さんから多めのチップを受け取ることができる。

ギャルソンカフェ開店に当たっては、まずこうしたヨーロッパスタイルを基調とし、企画から立ち上げまでの全過程をネット上のブログで公開し、ブログ訪問者からの意見を募った。店内のインテリア、食器、メニュー、ギャルソンの衣装などが、訪問者の意見を取り入れて決められているのだ。またギャルソンの求人もネット上で行われ、200名の応募者から30名のイケメンが選ばれた。厳選されたギャルソンたちは、単に外見が美しいだけでなく、自分の夢を持っているということが選抜の条件になっている。30名のギャルソンたちの夢は、モデル、俳優、歌手、お笑いスター、パティシエ、バーテンダーなどである。

カフェではギャルソンのために専門家によるサービス研修が行われ、彼らはギャルソンのサービスマナーについて学んでいる。リアルな雰囲気を出すために、店に入る時に「チップ」カードが渡され、サービスに満足したらその「チップ」をギャルソンに渡す。「チップ」をたくさんもらったギャルソンは給料が加算され、彼らはそれによって夢を実現するための勉強に励むのだ。（劉詩音執筆）

生活シーンを単純明快に捉える

「SALを中心にロマンスをさけぶ」――こんな興味深いイベントが7月末に終了した。SAL（サル）とは「Smile and Laugh」「Share a life」「Sexy and lovely」などの意味が込められた言葉で、家電ブランドamadana（アマダナ）が発売した新型の携帯ビデオカメラである。SALを使って愛を記録し、想いを交わし、友情を深めることで、世界が広がり、参加者は温かい気持ちになれるというわけだ。

6年前、amadanaが登場したとき、日本特有の細やかなライフスタイルや大胆な美しさや高度な先端技術が融合して生まれた「美しい家電」が、デザインを愛する人々の熱狂的な支持を獲得した。今年5月に誕生したSALは、さらに家電の本質を徹底的に体現している。「動画を撮るためだけの道具」であり、外観は単純明快、構造もシンプルなSALは、色も形も様々な音楽・動画再生機が市場に溢れる中で異彩を放っている。

30万画素のCMOSセンサー、2インチのQVGA液晶、内蔵されたUSB出入力端子によってSAL同士の動画交換も可能だ。重さ85グラムの名刺大なので、ポケットに入れたり、片手で長時間撮影したりすることもでき、2GBのフラッシュメモリで2時間も録画できる。これらが「SALを中心にロマンスをさけぶ」を構成する基本条件であり、動画を撮影してアップロードする人々に自由に表現する無限の空間を与えているのだ。

amadanaはデザインコンセプトとして、このようなことを言っている。美しい服を着ると、不思議なことに人の心の背筋まで美しく伸びる。自分の周りの世界、普段はどうということもない日常が、美しく輝き始める。デザインの目的は、「10人のうち1人がドラマチックなほど気に入る製品を作ること」なのだそうだ。

ブラック、シルバー、ブラウン、グリーン、ピンクのSALで、周囲のロマンチックな情景を撮影して、サイトにアップロードして多くの人と共有する……なんとすばらしい発想だろうか！この単純明快で個性的なSALを手にしたことで、我々は生活を再発見し、自分を見つめなおし、美しい気持ちを持つことができるかもしれない。（姚遠執筆）