【2012年クリスマス特集その3】じょうずにゆで卵をゆでる方法
クリスマスディナーに食べる七面鳥やクリスマスケーキなどの作り方は、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ネットなどで盛んに伝えられているが、クリスマスの食事に欠かせないゆで卵については、あまり質問する人もいない。ゆで卵はあまりにも簡単に見えるので、誰も気にしないのだろう。だがよく考えてみると、簡単に見えるゆで卵も実はなかなか思い通りに作るのは難しいのである。
みなさんはこんな経験はないだろうか?かたゆで卵を食べたかったのに中がとろとろだった、とろとろの卵を食べたかったのにゆですぎた、あるいは熱いうちに食べようとして、白身がぼろぼろになってしまった、などなど。実は、小さなゆで卵には、大きなコツがあるのである。重要なのは、時間を把握することだ。今年のクリスマスには、この「秘伝」のゆで卵の作り方をマスターしよう。
卵を湯の中に入れて3分ゆでると、卵の温度は140℃以上になって、卵白が乳白色になる。5分ゆでると、卵は155℃になって次第に固まり始める。7〜9分で、卵はほぼ固まるが、この時卵は180℃になっている。11分以上ゆでると、残念ながら卵の組織は破壊される。このことから、最も適切なゆで時間は、7分〜9分ということになる。この原理を利用して、具体的な作り方をご紹介しよう。タイマーを準備してほしい。
まず鍋に湯を沸騰させる。消毒した画鋲で卵の丸い側に小さな穴をあける。これはゆでた時に殻にひびが入るのを防ぎ、ゆでた後で殻をむきやすくするためである。次に卵を静かに煮立った湯に入れ、火力を弱火から中火にし、鍋の沸騰を保持する。ここでタイマーをかける。半熟は6分30秒、半熟(黄身がやや固まる程度)は7分〜7分30秒、固ゆでは9〜10分である。ゆでる時は卵を軽く回転させ、卵黄が中央に来るようにする。時間になったらすぐに卵を取り出し、冷水に入れて、余熱が半熟卵を固まらせないようにする。
欧米では古くから、「古い卵はゆで卵にし、新しい卵は目玉焼きにする」と言う。冷蔵庫に入れてあった卵でゆで卵を作ると、殻が簡単にむける。それにしても、日本の卵好きはとても幸せだ。日本の卵の衛生は厳しく管理されており、消費者の手元に届いた時には確実に新鮮である。また、よく見られる白と赤の卵の他、海藻の粉末を食べためんどりが生んだヨード強化卵や、ビタミンEや鉄分が豊富な、女性が食べるのに適した宝夢卵もあり、烏骨鶏の卵も簡単に手に入る。
今年のクリスマスは、自分のために、そして家族のために、おいしくて栄養が豊富なゆで卵を作ってみてほしい。(秋桜執筆)
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