日本の居酒屋文化 (香港)アオティン
日本に旅行に来た香港人たちが居酒屋でテーブルに着き、テーブルいっぱいの食べ物を頼んで、飲み物はウーロン茶かジュースを一杯だけしか頼まないのを見たことがあるが、従業員たちは不思議そうな顔をしていた。これは、日本人の習慣とはまったく違うからだ。
日本人にとって居酒屋は、ただ食事をする場所なのではなく、社交場なのだと思う。四、五人の友達と集まっておしゃべりをし、酒を飲むのが中心で食べ物は二の次である。だから、居酒屋の客は食べ物よりはるかに多くのお金を酒に費やすのである。
同僚の Lionel はこう言う。「香港からの旅行者が日本料理を食べる場合、一軒のレストランでたくさんの違った食べ物を同時に食べたがる。生魚と寿司と刺身とか。でも日本のレストランはかなり専門で分かれているので、一般にレストランで同時にいろいろな種類のものを出さない。特に高級なところでは、一種類の食べ物しか提供しない。それが、香港のレストランに何でもあるのとは違っている。」
「寿司を例にすると、彼らは長い間修練を積まなければ一人前の料理人になれない。寿司職人は誇りを持っていて、他のジャンルのコックを下に見ている人が多い。だから、最もすばらしい寿司を食べたかったら、寿司の専門店に行かなければならない。」
「同じように、おいしいてんぷらが食べたかったら、てんぷらの専門店にいくべきだ。日本のうなぎ屋はうなぎを使った料理しか出さないし、もちろんラーメンにも専門店がある。」
「もちろん、香港人のように一度にいろいろなものを食べたいと思えば、居酒屋はいいチョイスと言えるだろう。季節の食べ物も扱っているし。でも、本当にすばらしくて値段の高いものは置いていないね。我々が居酒屋に入ってトロやウニを頼んだら、外国人が香港の茶餐庁(軽食屋)でフカヒレ料理やツバメの巣のデザートを頼むのと同じことになる。」
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