2008年2月14日 特別増刊第20号

今日は年に一度のバレンタインデーである。恋人たちにとっては愛を確かめ合う日、片思いの人にとっては気持ちを伝えるチャンスの日、独り身の人にとってはちょっぴりせつない日、男性にとっては胸がそわそわしてしまう日。あなたはどのようなバレンタインを過ごしているのだろうか?日本ではバレンタインデーは、女性が男性にチョコレートをプレゼントするのが一般的だ。愛する人にあげる「本命チョコ」、友達と交換する「友チョコ」、家族に渡す「ファミチョコ」、上司や同僚にプレゼントする「義理チョコ」、お世話になった人への「世話チョコ」など、同じチョコレートでもその意味はますます多様化してきている。現在ではチョコレートの年間消費量の4分の1がこの日に消費されると言われている。バレンタインデーはもはや恋人たちの日というよりも、チョコレートの日になりつつあるかもしれない。今日というこの甘い日に甘い世界へご案内します。(謝晨執筆)

高さ40センチの巨大チョコレー
ウェスティンナゴヤキャッスル(名古屋市)は毎年恒例の「高級ショコラ」として「la tour Eiffel chocolat 2008」を販売した。今年のデザインは、チョコレートケーキの上にエッフェル塔をかたどったチョコレートを乗せ、金粉やフランボワーズのハート型ショコラをあしらったものである。高さは約40センチ、価格は1万円である。個人や企業向けのパーティー用に購入する客や、男性客にも好評だという。

10億円のチョコレート
宝石を輸入販売する内原グループは2008年にちなんでダイヤモンド2008個をあしらった特製バレンタインチョコレートを販売した。アフリカ大陸のサバンナとダイヤモンド鉱山をチョコレートで再現したもので、チョコレートで作った動物のミニチュアも乗っている。縦85センチ、横90センチ、奥行き20センチ、総重量200キロという破格のチョコレートだが、値段も驚きの10億円となっている。

DECOチョコ
一粒から購入可能で、様々な味を楽しめるポピュラーなチョコレート「チロルチョコ」に新しいサービスがスタートした。デジカメや携帯で撮った画像を使用して、世界に一つだけのオリジナルパッケージを作ることができる「DECOチョコ」サービスである。画像の他にフレームや文字を書くことも出来、プリクラ感覚で楽しむことができる。プレゼントとしても人気で、バレンタインの時期は注文数を制限するほどである

ありがチョコ 
普段お世話になった人への感謝の気持ちを込めて送る「義理チョコ」。「スーパースイーツ」が発売した「ありがチョコ」には、感謝の気持ちを携帯を通じて伝える仕掛けが用意されている。受取人はパッケージにプリントされている二次元バーコードを携帯で読み取り、相手と自分の名前を入力すると、ありがとうのメッセージが表示される。カジュアルでコミカルなメッセージが100通り以上あり、自動再生されるためゲーム感覚でも楽しめる。

チョコファクトリーV2
ペンチ、スパナ、ボルト…、実は皆チョコレートなのである。車好きな男性や工具好きな男性に絶対喜ばれるバレンタインプレゼントだろう。グリッドの凸凹など細部まで忠実に再現し、ボルトとナットが回るほど精巧である。チョコレートは最高級のベルギー産のみを使用し、濃厚な味わいが楽しめる。「食べるのがもったいない」など絶賛の声は多く、テレビ・雑誌等でもたびたび紹介されている注目商品である。

チョコレートファウンテン
「チョコレート噴水」というロマンチックでメルヘンな名前の通り、噴水のようにチョコレートが流れ落ち、その甘い液体に季節のくだものやお菓子を付けて食べるスタイルである。白いホワイトチョコレートや緑色の抹茶チョコレートファウンテンもある。パーティーをより賑やかに演出し、カップルはよりあま〜いひと時を過ごせるにちがいない。ホテルなどのレストランや、チョコレートイベント会場で楽しめる。

高級チョコレート食べ放題
「バレンタインチョコレートパーティー」というイベントでは約100種類のブランドチョコレートが食べ放題である。阪急百貨店と阪神百貨店の合同企画で、合計200組400名を招待する。チョコレートのほか、ヨーグルトやカクテルのサービスもあり、歌手によるライブや豪華商品が当たる抽選会もある。全種類を食べるのは難しいが、100種類以上ものチョコレートを享受できるのはこの企画だけであろう。そのため1万名以上の応募があり、抽選倍率約55倍という人気ぶりであった。制限時間90分、一人当たり1500円。

ライトアップされた東京タワーを登ろう
東京タワーはバレンタイン当日、ライトアップされたタワーの外階段を歩いて登る一日限定イベントを初めて実施する。タワーの外階段は土日祝日の昼間にのみ開放し、一日300人が利用する東京タワーの隠れ人気コースである。「ライトアップされた東京タワーの内側から、夜景を見てみたい」「夜も外階段で東京タワーに登りたい」という要望が多くあったことから、バレンタインデーの夜間3時間に限り、外階段を開放することになった。天候が良ければ房総半島や三浦半島の夜景の見ることができ、カップルで登ればきっと愛が深まることだろう。

メンズショコラバー
男性だってチョコレートが好きである。そごう・西武百貨店が男性2054人を対象に実施したアンケートでは、「バレンタイン時期にチョコを買ったことがある」の問いに、35%が「ある」と答え、「ないが買ってみたい」を含めると、約4割にものぼった。しかし、国内外のブランドチョコレートが集まるこの時期は、チョコレート売り場は女性の熱気で気が引ける男性も多い。そこで2月より、シブヤ西武では紳士服フロアに男性をターゲットにした「ショコラ・ティスティングバー」が登場している。専用のバーカウンターを設け、1日先着50人限定で4ブランド6種類のチョコレートの中から好きなものを無料で提供し、スパークリングウオーターもサービスしている。大人の男性向けのお酒が効いた物やビターテイストなチョコレートがセレクトされている。

「逆チョコ」ブーム到来
「バレンタインデーには私だってチョコレートをもらいたい。」男性が女性にチョコレートをプレゼントするのが「逆チョコ」だが、そんな願望を持つ女性が9割にのぼることが森永製菓の調べで分かった。一方、チョコをもらう立場の男性は85%が「逆チョコ」に肯定的で、「チョコが欲しい」と言われれば91%の人が「あげる」と答えた。逆チョコをもらいたい芸能人の1位は福山雅治、2位は小栗旬、3位は木村拓哉と小池徹平だった。逆チョコをあげたい芸能人の1位は長澤まさみ、2位は新垣結衣、3位は上戸彩だった。「おしゃれなチョコレートをくれそうだから」、「嬉しそうに受け取ってくれそうだから」がそれぞれの理由だった。男女に関係なく、プレゼントをもらうのは誰でも嬉しいもの、誰でも好きな人に気持ちを伝えるチャンスがほしいもの。バレンタインデーにも「男女平等」の時代が到来しようとしているのだろうか?

「マイチョコ」だってお金をかけるもの
バレンタインデーは女性がチョコレートを贈る立場だが、森永製菓の同調査によると、半数以上の女性(69.7%)が自分にチョコを買った(マイチョコ)経験があり、ほぼ9割の女性が、彼や家族に贈ったチョコレートを自分も食べたことがあるとわかった。やはり女性は甘いものには目がないのだろうか、その理由は「おいしいチョコレートが食べたいから」である。近年は高級チョコレートブームで、世界各国の人気ブランドが日本に集結し、バレンタイン限定販売のチョコレートも多く、自分で楽しむために購入する人が急増しているのである。プランタン銀座の調査によると、本命チョコの予算は3050円、義理チョコは1029円、マイチョコは2698円だった。マイチョコは本命チョコに匹敵するくらいの金額であり、好きな人と同じくらい自分だって大事だということであろう。

「バレンタインデーにチョコレートを渡すのは製菓会社の策略だ」という人がいる。確かに始まりはそうだったかもしれないが、この「策略」は日本中の人に特別な何かをもたらしたことは否めない。甘酸っぱい思い出やほろ苦い思い出、わくわくどきどきした気持ち、周りの人の気持ちの温かさ、もしかしたら自分のしょっぱい涙や我慢できない虫歯の痛みかもしれないが、どれもかけがえのない思い出の一ページになったはずだ。1936年に日本に始まったバレンタインデーは70年以上の歳月を経て、日本独自のそれを形成してきた。「逆チョコ」や「マイチョコ」はその一つの転化点だ。


まぐまぐ(HTML・TEXT)、melma(HTML)、E-Magazine(HTML)、メルマガ天国(HTML)、
MailuX(HTML)、 Yahoo!メルマガ(HTML・TEXT)、MAG Bee(HTML)、カプライト(TEXT)、
めろんぱん(TEXT)、マガジンライフ(TEXT)、RSSmag(RSS)