2月のニューヨークから始まり、世界各地で行われてきた2008〜2009年秋冬コレクション。しんがりは東京が務める。今回の東京コレクションは、前回に引き続き東京・六本木の東京ミッドタウンをメイン会場に開催され、初参加の10ブランドを含む若手からベテランまで計45ブランドが参加した。10日から16日まで、東京のファッションを世界に発信し、東京の街をファッションの色に染めた。(取材・執筆:謝晨、劉詩音、姚遠) |
東京ファッションウィークが始まってから、3年の月日が経とうとしている。今回東京コレクションなど中核イベントには延べ約2万1000人が来場し、海外からもアジアと欧米を中心に20カ国から約200人のジャーナリストが訪れた。海外からの来場者も少しずつ増え、その知名度は確実に高まっている。東京ファッションウィークの知名度アップを最も願っているのはおそらくデザイナーであろう。YLANG YLANGのデザイナー青柳龍之亮さんはこんなことを話してくれた。「コレクションでの服はアートではあるが、実生活とかけ離れていて実際に着ることが出来ないと思っている人も多いと思う。でもそれはそれを着るようなシーンがないからだ。服を作ることで、その服を着るシーンを増やしたい。だから東京コレクションがより多くの人に知り渡るようになってほしい。」この言葉には目からうろこだった。確かに、SOMARTAのニットに編みこんだプラスチック素材はファッションのアクセサリーであり、Mintdesignsの紙くずに見える帽子やドレスも洗濯可能な素材でできている。どれも着ることを前提に考案され、アートと実生活の両立を実現させている。「生活スタイルに合ったファッションをするのではなく、着るファッションに合った生活スタイルをする」という新しい服のあり方、そしてその服を作るファッションデザイナーの新たな使命を彼は提案しているのである。そう考えると、服は生活を変えるスイッチとなり、ファッションショーはお買い物の下見となり、東京コレクションが少し可愛くなって、一歩私に近づいた気がした。 |
|