本物そっくりスイーツ
「本物そっくりスイーツ」とは、たこ焼き、ハンバーガー、寿司などのメニューを、すべてケーキや饅頭などのお菓子の材料で作った新しいタイプのデザートである。このように食事メニューそっくりに作ったお菓子は「和菓子文化」を持つ日本ならではのもので、世界でも珍しい。去年本メルマガでは、ハンバーガーそっくりのケーキを販売する渋谷の「マミドバーガー」を紹介したが、今度は広島の老舗菓子司「虎屋本舗」が「本物そっくりスイーツ」を売り出して注目を集めている。
世にも不思議なこのスイーツの数々は、虎屋の洋菓子ブランド「マイケル」から生まれた。例えば、外観はお好み焼きに見えるのに、実はチョコレートケーキであったり、餃子かと思うとあんこ入りの饅頭であったり、目玉焼きかと思ったらヨーグルトムースであったりなど、傑作ぞろいである。見た目の印象と実際に食べたときの味はまったく違うので、視覚と味覚の差によって意外な効果が引き出される。
虎屋本舗はこれまでに、10種類近くの「本物そっくりスイーツ」を開発し、その販売額は毎年の総販売額5億円の半分近くを占めるほどの人気となっている。
このスイーツについては、新聞、雑誌、テレビ、ネットなどでしきりに取り上げられているだけでなく、様々な珍しい食品の博覧会にもしばしば登場している。今年の3月から6月までは池袋サンシャインビルのナムコ・ナンジャタウンに出展したが、現在は大阪の「浪花餃子スタジアム」に登場している。「本物そっくりスイーツ」ブームはこれから日本中に広がっていきそうな勢いである。(嶋田千里提供)
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