渋谷が活力に満ちた流行牽引の中心ならば、原宿は若い世代の反抗心とエネルギーで個性と元気を発散する場所だ。渋谷には大人の格調があり、原宿には未成年の狂気がある。渋谷は軽快なラップであり、原宿は熱気の溢れるロックの世界だ。こんな原宿には、常に何か新しく珍しいものが登場する。あるいは、正に原宿に出現したものだからこそ、たちまちのうちに若者の包容力と好奇心によって受け入れられ、流行の風を巻き起こすのかもしれない。そのため、原宿の大手各ショップでは、若者の目を惹き付けるために常に革新的なアイデアを打ち出している。今回みんなの注目を集めているのは、すでに30年以上の歴史を持つ古典的キャラクターであるハローキティだ。
7月22日、原宿の「キデイランド」で、ハローキティが変身したスーパーヒーロー「ICHIGOMAN」のイベントが行われた。登場したハローキティはおなじみのミニスカート姿を捨てて、パンツとベルトを身につけ、分厚い手袋をはめ、宇宙に敵なしのスーパーヒーローに変身した。さらに重要なのは、キティの特徴のある二つの大きな耳が二つの赤くて大きなイチゴになっていることだ。ベルトにも丸いイチゴ型のスマートフォンがついている。リボンはどこへ行ったのかって?もちろんいつもの位置についている。世界に向かう萌えカルチャーをリードするキャラクター、ハローキティと、萌え少女を代表する果物、イチゴが合体した、世界を救うICHIGOMANなのである。
デザイナーの山口裕子さんもこのイベントにかけつけた。彼女はICHIGOMANのデザインコンセプトについて、人の心に隠された暗い面から生まれたモンスターと戦うために、キティがあるきっかけで手にした絵本に導かれてICHIGOMANに変身したのだと語る。ハローキティがイチゴ型のスマートフォンを掲げ、みんなの「パワー・ザ・キティ!」と叫ぶ音量が数百万ヘルツに達するとキティが変身してモンスターをやっつけてくれるのだ。
ハローキティのICHIGOMANは、見た目の萌えのイメージで愛されるだけでなく、もっと大切なコンセプトを表現しているのかもしれない。それは、誰の心にも暗く邪悪な面があるが、我々がいつも明るさや美しさや愛や喜びを忘れなければ、邪悪なものは最後には打ち負かされ、光が暗さに押しつぶされることはないということだ。なぜならみんなが大好きなハローキティが、彼女の方法で我々を守ってくれるからだ!スーパーヒーローのICHIGOMAN、がんばれ!これからもみんなに、もっとたくさんの喜びとパワーを与えておくれ! (李薊執筆)