ビジネスの社会では、初めて会った人と名刺を交換することは、握手と同じぐらい当たり前のことになっている。「名刺がない」「名刺を忘れた」などということでは、どんな場合でも相手にいい印象を与えられない。だが、名刺の管理はエネルギーを使う面倒な仕事だ。会議に出たり、パーティに参加したりして、数十枚の名刺を受け取るのはよくあることだが、これらの名刺は分類するのが面倒なだけでなく、ぶ厚い名刺フォルダーがだんだん増えていくのを見ていると頭痛までしてきてしまう。自分の名刺についてもやっかいなことがある。電話番号が変わったり、転職したり、副業を持ったり……どんな小さな変化であっても、印刷した何ケースもの名刺が使えない事態になる可能性があるのだ。無駄なコストがかさみ、資源の浪費もはなはだしい。使い勝手のよさから見ても、省エネや環境保護の点から見ても、名刺は実にわずらわしいものである。
そこで、「電子名刺」が登場したというわけだ。電子名刺の形式は様々のものがある。名刺をカード型記憶装置に書き込むサービスを行っている会社もある。記憶装置にはデータ管理ソフトがついていて、分類作業をパソコンに任せることができる。紙の名刺の中にチップを入れたものや、読み取り用の二次元コードを印刷したものもあり、これらは特別のカード読み取り器を使ってデータを保管することができる。だが落ち着いて考えてみると、どの方式にしても、まるで玩具のようで、記憶装置もカード読み取り器も、ビジネスの現場で気軽に取り出しにくい。しかも、これらはやはり環境には優しくない。
最近、「Yanko Design」というデザインスタジオが、新型の電子名刺を開発した。この「Halo」と呼ばれる新製品はまったく新しいタイプで、見たところは超小型の薄型携帯電話のようである。この新型電子名刺には、SDカードスロットと電源スイッチとブルートゥースセンサーだけが付いており、他の操作はすべてタッチスクリーンで行う。外観は普通の名刺と同じで、両手で差し出しても違和感がない。だが、二台の「Halo」が近づくと、ブルートゥースを通じてお互いの情報が交換され、設定しておいた分類モードによって自動的に名刺が分類される。指でスクリーンに触れるだけで、名刺に伴うわずらわしさを優雅に便利に、そして環境に優しく解決できるのだ。インテリジェントなデジタル製品が溢れる時代にあって、まさに「今まで思いつかなかったが、できないことは何もない」のである。(凱特執筆)