子どもの頃から世界と日本の美に感動し、人の肌や、土、紙、服などの上に絵を描き、音や映像や踊りや光と組み合わせて、これらの美しいディテールや物を一つの芸術品にまとめあげるのが、彼女にとって最も幸せな時間である。――このメールマガジンの特集でもご紹介したことのあるペインティングアーティスト、神田サオリさんの美は、たくさんの読者の心を感動させた。その後、「VOGUE」(TAIWAN)や「ELLE」(CHINA)からも我々を通じてインタビューが行われ、神田サオリさんの芸術に対する果てしない追求は、さらに多くの若者たちに伝えられた。
さて、東日本大震災の後、彼女の生活にはどんな変化があっただろうか?西東京にある彼女の家は何事もなかったが、多くの人と同じように、身体は無事でも彼女の心は悲鳴を上げていた。そして被災地の人々に少しでも安らぎと希望を伝えたいと思い、ブログ上で美によって勇気と力を与える作品をアップし続け、様々な被災地復興支援のイベントにも積極的に参加したのである。
今月いっぱい東京の京橋にあるT.I.Pで行われている「咲かす花プロジェクト」は、被災地のために考え出された、撮影愛好家向けの募金活動である。「T.I.P 72Gallery」の大樹の絵に、花などの色鮮やかな写真が貼り付けられ、大樹が花を咲かせるような作品が作られていく。この写真を一枚貼り付けるのに500円が支払われ、参加者の気持ちとして被災地に送られるのだ。花がどんどん増えて、ついにはいっぱいになる様子が、T.I.PのブログやUSTREAMで紹介されている。神田サオリさんは、この大樹の絵を描いている。
また、6月10日から7月2日まで、彼女は青い海と銀の砂に包まれて絵を描き、那覇→与論島→石垣島→波照間島→西表島に美しい筆跡を残していく。そして6月19日に開催される予定の「Tropical Lovers Beach Festa 2011」も、南国からの東日本大震災のための募金活動の一つである。今年のテーマは「LOVE & PEACE」で、サオリさんは、沖縄の代表的なアーティスト、pokke104やEITENと一緒に、輝く太陽の下、野外コンサートでライブペインティングを行う。
これまで、サオリさん自身が、多くのアーティストたちの愛にあふれる音楽や絵によって、たくさんのエネルギーを得てきた。彼女は、今後の世界がどのように変化していくかを考えると同時に、自分の未来にもはっきりとした目標を持っていきたいという。そして彼女は、被災地に対する支援が一時的な現象にならずに、長く持続するものとなることを望み、被災地の人々に積極的に立ち上がる力を伝えると同時に、喜びを共にしていきたいと願っている。(ff執筆)