8/10(水)、日本各地で記録的な猛暑となったこの日、1枚のCDがリリースされた。タイトルは「傷だらけのピアノ」。歌うのは都内を中心に活動を続けるシンガーソングライターの北村優希さんである。
1945年8月6日。世界初の原子爆弾が広島へ投下された。あらゆるものが破壊された中で、ピアノを巡るストーリーが生まれた。時を越え今、原爆によって傷つきながらも平和と戦争の恐ろしさや悲しみを伝える役目を担い、日々平和コンサートで優しい音色を奏でる“被爆ピアノ”がある。
北村さんは昨年、故郷長野で開催された生涯学習の一環でその“被爆ピアノ”と出会った。そのとき、沢山の傷を見た目にも心にも負っているはずのピアノから聞こえてきた優しさ溢れる音色に感動し、北村さんの心へ届けられた被爆ピアノの切なる声を歌にして届けたいと強く感じた。その使命感に近い想いから作られた曲が、先日8/10(水)に4枚目のシングルとしてリリースされた「傷だらけのピアノ」だ。
北村さんの祖父は軍人だった。仏壇の遺影には軍服を身に纏い凛々しく写る祖父の姿がある。大人の様子から、戦争が良くないもので人を悲しくさせるものだということを幼心に感じていた。歌手としての最終的な目標は「この世の怒りや恨み、そういった感情を自分の歌声で治める」ことだ。本当の平和とは何か。この1曲、ぜひ聴いてみていただきたい。(長野陽子執筆)
【リリース情報】 8/10(水)「傷だらけのピアノ」¥1,000 全国のCDショップにて絶賛販売中。
【メディア出演情報】 9/6(火)文化放送「吉田照美ソコダイジナトコ」午前6:00〜8:30(生放送)