日本料理の中で、納豆以外で外国人観光客が不思議に思うものにはどんなものがあると思いますか?私について言えば、生の馬肉や、お腹を開かれてテーブルに運ばれてもまだ尾びれを動かしている半死状態の刺身にもびっくりしましたが、それよりも驚いたのは主食と主食を組み合わせる食べ方です。
中国人の食事の観念では主食は一種類であり、例えばご飯を炊いたら基本的に麺をゆでることはありません。同様に、麺を食べる時はご飯を取り合わせることはあり得ず、それはおかしいと感じます。でも日本には、主食と主食のセットメニューがたくさんあるのを発見しました。初めてこの組み合わせを見た時、私はびっくり仰天。まず最も不思議なのは、有名な「焼きそばパン」です。こんな食べ方は、日本にしかないのではないでしょうか?パンの中に焼きそばを挟んだもので、日本人の友人はこれについて「二つの味を一緒に味わえて、しかもお箸がなくても焼きそばを食べられるのだから便利でしょ?」と説明してくれましたが、やはり受け入れがたいものがありました。麺類も主食、パンも主食なのに、どうして一緒に食べられるのでしょうか?こう考えるのは私だけではないらしく、台湾の友人の多くも、日本で「焼きそばパン」を見て驚きの声を上げ、すぐにカメラを取り出して撮りまくっていました。「焼きそばパン」がおいしいかどうかは別として(実は心理的に受け付けなくていまだに食べたことがありません)、私はやはりパンと焼きそばは別々に食べるべきだと思っています。
二番目は「ラーメンとご飯」または「餃子とご飯」あるいは「ラーメンと餃子」という組み合わせです。「焼きそばパン」と同様、この三つはすべて主食なので、メニューを見たとき私は思わずこう聞きたくなりました。「ラーメンとご飯と餃子のどれを食べたらいいのかしら?」ラーメンも餃子も味が濃く、日本人はおかずや一品料理として食べるので、ご飯やビールと合わせて食べるのがごく普通のことだそうです。でも台湾では餃子だけ食べても満足感があるし、そもそも餃子店ではご飯を売っていませんから、もしご飯と一緒に注文したら店員に白い目で見られるでしょう。私は日本で一度も「ラーメンライス」を食べたことがないので、どんな感じなのかも分かりません。
最後に、前回私が北海道で入った、餃子とカレーライスの専門店のセットメニューです。この日、私は店員にお得なセットを薦められました。その内容は、今回の話題にぴったりの餃子とカレーライスでした。しまった!カレーライスも餃子も主食です。食べる時になって、頑固な私の心は非常に複雑でした。餃子もおいしく、カレーライスもなかなかでした。でも「一緒に」というのはダメです(杏子的規定)。別の食事に分けて食べなければなりません。これ以外にも、天丼と蕎麦、カツカレーとスパゲティなどの奇怪千万な主食重複セットが存在します。なぜか、どのセットも見たとたんに食欲が完全になくなってしまいます。みなさんが私にごちそうしてくださる時は、これらの店には連れて行かないでくださいね 。(哈日杏子執筆、撮影)