うどんと言えば、日本人はみなすぐに讃岐うどんを連想します。これは香川県の特産物です。私は2006年に日本で上映された映画「UDON」を見ましたが、四国の香川県の様々なおいしいうどんが登場するので、つばが出てきてしまって困りました。私は子供の頃、両親が外で仕事をしていてほとんど家にいなかったので、夕食はほぼ毎日弟と家の近くの同じ店で、同じ麺を食べて済ませていました。その結果、いつしか麺類に嫌悪感を抱くようになってしまったのです。日本を好きになってから、人気のB級グルメであるラーメンを食べるようになりましたが、子供の頃の問題が影響したのか、だんだん食べたくなくなってしまいました。でも大阪の道頓堀で非常に有名なうどんの老舗「今井」を取材してから、私の麺に対する考えはすっかり変わりました。
当日、店のご主人が湯気の立ちのぼるきつねうどんをテーブルに運んできてくれました。撮影の時、私はまだあまり食欲がなく、撮影後に仕事の必要からやむを得ず箸を取って食べました。ところがつゆに浸った油揚げを一口食べ、底まで見える透明なつゆを一口飲み、弾力性満点のうどんを一口かみしめた後、私は完全にうどんのとりこになっていました。その時私は心の中で叫んでいました。「こんなにおいしい麺があるなんて!」この日、私は日本で初めてつゆまで一滴残らず飲んだのでした。
日本では、麺で勝負するなら讃岐うどん、つゆで勝負するなら大阪うどんという言い方があります。今井のつゆは、北海道産の昆布と九州産のかつお節で取っているのだそうで、どおりでおいしいわけです。その後日本に来ると、まれにうどんを食べに行くようになりました。6月に大阪から帰国する関西国際空港で、昼ごはんにうどんを選んだことを思い出します(笑)。
うどんの食べ方にはいろいろあります。夏は冷たくして、冬は温かくして食べます。一般的なかつお出汁のうどんの他、鍋焼きうどん、カレーうどん、味噌煮込みうどんなどがあり、ネギ、油揚げ、生卵、海老天、鴨、焼き豚などを加えることができます。スープがあるのが嫌いな人は、スープのない麺も選べます。メニューと食べ方がたくさんあり、食感が爽やかで、たくさん食べても胃に負担にならないので、女性やお年寄りにも人気があります。お話ししているうちに、お腹が空いてきました。今日はうどんを食べに行きましょうか。(哈日杏子執筆、撮影)